は を解にもつため、 で割り切れます。
以上の場合の の因数分解を考えます。
(2.4) |
(2.5) |
(2.6) |
は既約多項式でしょうか。これまでと同様に、整数解をもたないことが分かりますので、1次式を因数に持たないことがわかります。すると、考えられる分解は、2次式×4次式、2次式×2次式×2次式、3次×3次式ですので、の場合と同様に整数係数多項式に分解できると仮定し、分解できるかどうか確かめることができますが、この方法は、非常に多数の連立方程式を解くことになり、見通しはよくありません。見通しよく解決することはできないでしょうか。
ここでは、の場合は置いておいて、以上の場合にどう分解されるのか確かめてみましょう。それにより、の場合の解決の方法が見通せるかもしれません。このように、数学の問題にぶつかった時は、より問題を一般化することにより、具体的な問題の解決のヒントが見つかることがよくあります。
(2.7) |
と分解されます。 は、これまでと同様に既約多項式であることが示せます。
(2.8) |
と分解されます。ここで、 が既約多項式か問題になりますが、その点はおいておきましょう。
(2.9) |
ここまで、まで、
の因数分解をみてきました、何か法則はあるでしょうか。
見通しをよくするためにここまでの結果を表にまとめてみます。
この表からなにか分かることがあるでしょうか。因子の個数に着目するとの場合のように2つにしか分解されないものもあれば、のように多数の因子に分解されるものがあることが分かります。例えば、の場合は、
と分解できますので、
と分解でき、
を因数分解することによりさらなる分解ができますね。つまり、これは、
と分解できることに由来しています。これに対し、の場合は、をこれ以上分解できないことから、
もこれ以上分解できないことが想像されます。
つまり、
の因数分解は、の素因数分解に関係していそうだということがわかります。したがって、
の因数分解を調べるには、の素因数分解を調べることが有用そうです。
また、同じ式がいくつか出てきていることが分かりますね。例えば、 の因数分解には、 の因数が含まれていますし、 の因数分解には、 の因数が含まれています。同様に の因数分解には、 の因数と の因数が含まれています。このように、 の因数分解には、の約数をとしたときの の因数分解が含まれていると予想できますね。
次項ではこれを見ていきましょう。
Takashi