ここから演算が定義されている集合を考えます。例えば、有理数全体からなる集合 や実数全体からなる集合 、複素数全体からなる集合 は、集合であるとともに、集合の中に加法・乗法という演算 が定義されています。 ここで、演算が定義されているとは集合の2つの元に対しが一意に定まり再び同じ集合に含まれていることを意味します。ポイントは、@全ての集合の元に対し演算が可能であること、A演算の結果が再び同じ集合に含まれていることです。特に、Aが満たされているときその集合は演算に関し閉じているといます。
例えば、整数全体
は、加法()に関し上の@Aの条件を満たしていますので加法()に関し閉じています。同様に乗法()に関しても閉じていることが分かります。
これに対し、有理数
に除法()を考えると、は定義できませんので@を満たしません。したがって、有理数
は除法()が定義できません。これに対し、有理数から0を除いた集合
を考えると、@全ての
の元に対しを行うことは可能であり、Aその結果再び
の元となりますので、集合
に関しては除法()は閉じています。
同様に、整数
に対しとは整数にはなるとは限りませんので除法()に関して定義されていません。
Takashi