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結合法則
は、
の演算の順序を気にする必要が無いことを意味しています。したがって、3つ以上の演算を考える場合でも
のように括弧をつける必要はありません。結合法則は、演算を考える際には最も基本的な性質です。
群を考える際の演算は1つに固定されますので特に演算記号を強調する必要がないときは演算記号
を省略し、
のことを
と記載します。また、
と
の演算をとり
とすることを
に
を右からかけるまたは
に
を左からかけるといいます。「かける」という用語を使っています、自然数などに定義されている「乗法」とは限りません。
また、交換法則
は成り立つとは限りませんので、例えば、
と
は異なるかもしれません。したがって、
に
をかけるというのときに、左から
をかけると右から
をかけるとでは結果が異なる場合があります。したがって、単に
をかけるというのは意味がなく、右からかけるのか左からかけるのか明確にする必要があります。
集合が群であるとき、演算が定義されていますので、
に対し
です。これを0番目の条件と考えると、集合
が群であるときは(0)から(3)までの4つの条件を満たす必要があります。以下で
が群であることを確かめるとき、(条件0)から(条件4)を満たしていることを確かめていきます。ある集合が群となるには、この4つの条件を満たす必要があることはよく頭に入れておきましょう。
群の元
に対し、
を
回かけたもの
を
と記載します。また同様に、
を
と記載します。すると、通常の指数法則と同様に負の整数を含む整数
に対し
が成り立ちます。
なお、
一般の群については交換法則は成り立つとは限りません。この定義のようにが、交換法則が成立する群のことをアーベル群といいます。アーベル群の場合、例えばが成りたちます。このように、アーベル群の場合、右からかけるのか左からかけるのかを意識する必要はありません。この意味でアーベル群はとても扱いやすい群だといえます。
このように加法を演算とする群を加法群(additive group)といいます。上の例のとおり加法群の単位元は0であり、
の逆元は
です。
や
には加法とともに乗法も定義されていますので、加法群を考える場合演算記号の
は省略しません。加法群の場合、
を
回足したものは、
と記載します。(これに対し、加法群以外の群では
と記載します。)
のように乗法に関する群を乗法群といいます。
加法群、乗法群ともにアーベル群です。
Takashi