次の置換 は、からへの写像であるため、合成 を考えることができ、合成もからへの写像となります。また、 は全単写であるためその合成も全単写となります。よって、置換の合成も次の置換となります。置換の合成ではを省略し と記載します。
この例のように互換はを互いに入れ替えるますので、同じ互換を合成すると元に戻りますので、 です。
同様に、 を考えてみましょう。今度は、が先に作用します。すると、 なのでをに移し、 なのでをに移し、 なのでをに移し、 なのでをに移します。よって、
このように、 と は一般的には異なります。
は上記例のとおり一般的にはアーベル群ではありません。対称群はアーベル群ではない有限群の中ではもっとも基本的な群です。
上の証明では順列
を使いましたが、順列になじみがない場合は、次のように考えることでも分かります。
次の置換はからまでの像、つまりからを特定することにより決まりますが、これを順にかんがえてみると、はからまでの個が考えられ、が特定されると、は1からまでのうち以外の個が、
が特定されるとは1からまでのうちの、
以外の個に特定されこれを繰り返すことにより、全部で個と分かります。
が小さいときの群構造をみていきましょう。
また、と以外の元は、 と表されます。このようにとによっての全ての元が表せるような場合、は によって生成されるといいます。そして、 ですので となります。
詳細は触れませんが、における群構造は、 で生成され、との間に という関係があることによってすべて分かります。このような関係のことを基本関係と呼びます。
ですのでは非可換群です。また、の元はのの元と考えることができます(4以上の数は恒等置換であると考えることにより)ので、のに対しは非可換群であることが分かります。
Takashi