3.2

つづいて、環について学びます。環とは、簡単にいうと、四則演算のうち加法、減法、乗法の3つが定義されている集合です。整数全体の集合 $ \mathbb{Z}$や実数全体 $ \mathrm{K}$、複素数全体 $ \mathbb{C}$等は典型的な環ですし、多項式全体の集合 $ K[\mathrm{X}]$も典型的な環です。
また、環における乗法は必ずしも可換である必要はなく、行列全体の集合(例えば、$ 2\times2$行列$ M(2)$)は典型的な非可換環です。

群では正規部分群で割ると群になるという準同型定理が成り立ちますが、環においても同様のことが成り立ちます。環において、群における正規部分群に対応するものが、イデアルと呼ばれるものです。整数 $ \mathbb{Z}$イデアル及び多項式環 $ \mathrm{K}[\mathrm{X}]$イデアルを一般化したものです。



Takashi
平成24年5月27日