を代表元とする同値類の元を1つ固定します。このとき、の定義よりの元はと同値なつまりとなるです。一方、の元はと同値なつまりとなるです。は同値関係であり推移律が成り立ちますので、がいえます。つまり、です。これは同値類は代表元の取り方に依存しないことを意味しています。
この命題よりの同値類は一致するか交わりを持たないかいずれかであることがわかります。ここで、から元をとり、から元をとり、から元をとると、 は交わりを持たないの部分集合であることがわかります。このように をうまくとることによりを完全に分類しようというのがつぎの命題です。
つまり、集合は、互いに交わらない同値類の和集合で表すことができます。このように、互いに交わらない部分集合の和のことを直和(direct sum,disjoint union)といいます。また、このようなのことを完全代表系(complete system of representetives)といいます。
これらの例から分かるとおり、完全代表系の選び方は一意的ではありません。
Takashi