正規部分群の定義は右剰余類と左剰余類が常に等しくなるような部分群ですので、次の命題は当前の結果です。
群に対し、自明な部分群である
及び
は正規部分群です。またアーベル群の部分群は正規部分群であることはアーベル群の定義より明らかです。明らかではあるものの重要ですのであえて命題としました。
群の正規部分群を
とし(
は正規(normal)の頭文字)、
の剰余類
を考えます。正規部分群の定義より左剰余類と右剰余類は一致しますので、特に区別をすることなく単に剰余類と呼びます。
には演算が定義されていますので、2つの剰余類
に対し、
を考えることができます。
が正規であることより
となります。(括弧が動くのは結合法則のためです。)つまり、
が成り立ちます。左辺は2つの剰余類の積であり、右辺は剰余類です。したがって、剰余類
に自然な演算が定義できます。(ここで、「自然な」という意味は「
の演算から自然に導かれる」という意味です。)この演算により
が群になるというのが次の定理です。
を
の正規部分群とするとき、上の定理より剰余類
は群となりますが、この群を商群(quotient group)といいます。
Takashi